レジャー化する労働

労働が辛い理由は己の労働観にあるのではないか。

ぼくの世代は全てがサービスになっている。特に大きいのは教育である。昔は学校のヒエラルキーのトップにいるのは教師で、生徒たちは反抗したり怯えたりしながら教師に従うのが当たり前の世界だった(らしい)。けれど、ぼくらが中学生になったくらいからモンスターペアレントが徐々に話題になっていき、生徒、そして根本的には親がお客様で、先生はサービス提供者の立場になった。

そしてスマホの普及、IT産業の急速な進展によって、あらゆる領域がサービス化していっている。恋愛はマッチングアプリによって一期一会の出会いは幻想となり、到底見切れない人数の男女が同じアプリにいて、それぞれがスワイプしあう状況だ。そんな状況だからか、オフラインラブという恋愛リアリティーショーが存在するようになった。その番組は電子デバイスなしで男女が出会い恋愛をする様子を描くものだが、それは単に昔の恋愛に戻っているだけだ。

そしてその波は労働にも及んでいる。つまり、労使関係は単純な上下関係ではなくなっているということであり、それはむしろ既存の上下関係の逆転に見える。

というのもそれは単にぼくが今までそういうモードであったというだけである。そしてぼくはそれを今、大変反省している。

人口減少によって若い人材は貴重な戦力となった。就活市場はここ数年、常に売り手市場と言われ続けている。そして厳しくしても辞めるし、優しくしても辞めるのがZ世代である(と言われている)ので、せっかく獲得した貴重な若い人材をどうにかして社内に保持し、育成したいと考えるのが、会社の特に上の人たちの思考である。

そうなれば自動的にハラスメントは無くしていかなければいけないが、ハラスメントが何なのかを決めるのはハラスメントを受ける人たち=若い世代となれば、上の世代の人々は若い世代の話と顔色を伺うしかなくなる。そうなると教育の場で起こっていることと全く同じことが(部分的であれ)起こる。つまり、若い労働者は上司や会社側に程よくやりがいがあるが激烈にきついわけではないサービスを期待するようになる。面倒な飲み会は嫌だし、雑用も嫌。できるだけ社会に貢献しているような感覚は欲しいが、実際にガシガシ働くのもダサい。

だから、今の若い世代はマッチングアプリでスワイプするように転職する。というのは言い過ぎで、実際のところ若者の中には一定数、会社側に程よくやりがいのある労働を期待していたがそれが得ることができず、マッチングアプリでスワイプするように転職したいが踏み切れず、煮え切らない思いを抱えている人がいるのではないかと思う。まさにそれがぼくであり、それを反省している。

ぼくはお客様という立場に慣れすぎてしまっている。そう反省した。

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