ラムネが美味しいことに最近気づいた。
誕生日プレゼントに会社の同期がくれて久々に食べたことがきっかけだった。
家ではふざけて映画『レオン』のケンドリックラマーじゃなくて、ゲイリーオールドマンみたいに上を向きながらラムネを噛み砕たりしている。
でも、どちらかというと俺の噛み砕くラムネは『マトリックス』のレッドピルだ。
ラムネがきっかけで目覚める新世界はどんな世界だろう。
多分きっと、ラムネ一つで幸せになれるんだと気づいた後の世界だろう。
周りの人間は比較的穏健だけれど、それでも何か渦みたいなものが立ち上がっているのは分かる。
人は序列意識から離れられない。常に自分が下ではない証明を、上だという証明をし続ける。
この小さな渦の中に巻き込まれ、悪戦苦闘した先にあるものなんて大したことない。同世代で競ってもしょうがないし、社内で競ってもしょうがないし、SNSで競ってもしょうがない。
じゃあ、どこで競えばいいんだろう。
どこで競ってもしょうがない。
どうせ勝つこともあれば、負けることもある。勝負の規模が変われば、勝者も大したことはなくなる。ジャッジの基準が変われば、勝者も敗者になる。
自分らしさを失わないこと、それしかない。気分の悪くなる週末を何度も繰り返してそう気づいた。
ラムネ一つで幸せになれる世界とは、そういう世界だ。
エンタメの質と量が上がり、ちょっとサブカルを齧ると自分が佐久間宣行か大島育宙にでもならないといけないように感じて、テレビを見ればドジャースの結果が気になり、温泉や絶景スポット、動物園や流行の店に行かなければいけない気がする世界の中で、ラムネ一個でいいならラムネ一個を大切にする。
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